2011年11月19日

野球の試合のビデオ撮影(2)

 三脚を使わずビデオカメラを手持ちで撮影するときの一番の悩みどころは、撮影のオン/オフをどのタイミングで行うかという事です。私は最近まで何年間もずっとピッチャーの投球一球ごとにオン/オフを繰り返して撮影する方法をとっていましたが、つい2ヶ月ほど前から、原則として打者一人を一区切りとして撮影する(その間に盗塁や暴投などで走者の進塁があった場合はそこで切る)というやり方に変更しました。そのきっかけとなったのが、高校野球の試合を撮影したことでした。

 これまで行っていた投球ごとにオン/オフする方法ですが、これは何年間か少年野球を撮影してきた中でたどり着いた一つの方法です。撮影した映像をパソコンに取り込むと、一つの区切りが一つのファイルとして取り込まれますので、1時間半の少年野球だと1試合で大体200〜250個のファイルができる事になります。一見膨大な数に思えますが、実はやり方によっては意外に大したことはありません。
 1回表、1回裏、2回表・・・というフォルダを作っておいて、そこにファイルを分けてしまうのです。これも一見大変そうですが、イニングとイニングの間にスコアボードの映像を撮影しておくとか、それがなければ空とか木とか関係ない映像を撮影しておけば、イニングの変わり目を簡単に見つける事ができます。イニング分けが終われば、投球ごとにファイルになっているわけですから、スコアブックを見ればどのファイルがどのプレーに該当するかは簡単に分かるわけで、編集の意図に合った映像ファイルを見つけ出す事は比較的容易にできるのです。裏を返せばスコアブックと一体となって初めて効率化が実現されるビデオ編集方法という事であり、野球の映像を扱う者としてはかなり自己満足度が高く、同時に編集後の達成感もかなり高いレベルのものが得られるビデオ編集方法だと言えるかもしれません。
 映像ファイルを選択すれば、あとは全投球を集めて編集するか、走者が進塁したり打撃行為があった投球だけを集めて編集するか、その中間で編集するか、といった編集の仕方を決めるだけですから、如何様にでもなるというわけです。

 一方、最近やり始めた「原則打者一人を一区切り」という方法ですが、9月にとある高校野球の試合を初めて撮影しようとした時に、これまでの方法では到底撮影できないという事実に直面した事が発端でした。少年野球とは決定的に違うこと、それは投手の投球テンポです。とにかく早い。投手は捕手からの返球を受けた次の瞬間にはもうプレートの上に立ってサインを見ているのです。オン/オフをしている暇などまったくありません。中学野球も投球ごとにオン/オフして撮影していましたが、少年野球よりテンポは早いものの特に無理を感じた事はありませんでしたから、高校野球のテンポの速さは別格です。撮影しないで試合を見ていた時にもテンポの速さは感じてはいましたが、撮影してみて改めてその違いを実感しました。結局、打者一人を撮り続ける事にして、途中で盗塁とか暴投など走者の進塁に絡むプレーがあった場合はそこで切りますが、ファウルボールがあっても続けて撮影する事にしました。こうすることで、試合進行に繋がるプレーは必ず各ファイルの最後に登場する事になるので、編集作業が非常に効率的になります。省略なしで全てのシーンを使って編集するなら、全てのファイルを繋ぎ合わせればいいし、試合が動くシーンだけで編集するなら、各ファイルの最後の部分だけを集めればいいわけです。

 ただ、この撮影の仕方には一つ大きな問題があります。打者が打席を完了するまで、あるいは走者が進塁するような動きがあるまではビデオカメラを構えて撮り続けなければならないという事です。これは結構きついものです、腕が。そこで登場するのがシューティンググリップです。
http://www.sony.jp/handycam/products/GP-AVT1/
カメラを手持ちで撮影する場合、ある程度高い位置で構えないとズーム操作なども含めて無理がありますが、このシューティンググリップを使えば腰からおヘソくらいの位置で十分撮影する事ができます。ズーム操作を親指で行う事になりますので多少慣れは必要ですが、かなり長い時間でも連続して撮影する事が可能になります。先日、少年野球の新人大会で初めてこれを使って撮影してみましたが、打者一人を連続して撮影してもそれほど腕は疲れませんでした。ズーム操作が意図より少し遅れたり、うまくコントロールできなかったりしましたが、何度か使っていれば慣れそうです。野球の試合の撮影は打球を追わなければならないのでかなり機敏なカメラ操作が必要ですが、運動会の撮影程度ならこのシューティンググリップを使えば、さほどの習熟がなくても楽に撮影できるのではないかと思います。逆に、より高い位置で撮影する事もできますから、カメラマンが群がっている後ろで頭の上から撮影なんて事もできそうです。気が弱くてなかなかベストポジションが確保できない人にはオススメの一品です。
posted by kudakeishi at 05:24| Comment(0) | TrackBack(0) | ビデオ撮影と編集

2011年11月06日

野球の試合のビデオ撮影(1)

 私は野球の試合をビデオ撮影するときは三脚を使わず、必ずカメラを手持ちで撮影する事にしています。撮影の基本から言えば三脚を使った方がブレが少なく安定した撮影ができるわけですが、同時に自由度も減ってしまってプレーを如実に撮影する事が難しくなってしまいます。テレビ中継のように何台ものカメラを使って撮影する場合は、それぞれのカメラの守備範囲が決まっていて、その範囲だけをカバーすればいいわけですが、我々が子供たちの試合を撮影する場合にはそんな訳にはいきません。1台のカメラですべてをカバーしなければならず、場合によっては足も使って(場所を変えて)撮影するなんて事もよくあります。広いグランドの中で起こるプレーを1台のカメラできちんと追いかけて撮影するには、やはり三脚を使った撮影では無理があり、手持ちで撮影するのがベストだと私は思っています。もっともそれは私の撮影技術レベルでの話であって、もっと技術のある人であれば三脚を使っても十分に可能なのかもしれませんが。

 先日、あるお母さんに試合を撮影する時にどんな事に気をつけたら良いかと聞かれたのですが、これはどんな絵を撮りたいかで変わってくる話だと思います。自分の子供を撮りたいのか、みんなのプレーを撮りたいのか、試合を撮りたいのか・・・。私自身「プレー」を撮ろうとする時と「試合」を撮ろうとする時ではまったく違った撮影の仕方をします。そのお母さんは試合が撮影したいとの事でしたので、下記10項目のメモを渡しました。

(1)ビデオカメラをしっかり固定して上下に揺らさない。
   ⇒これはもう基本中の基本です。
(2)プレー中はズームで寄り過ぎない(ズームは適度に)。
   ⇒モニターは小さいのでつい思い切りズームしたくなりますが、後で大画面で見たら意外と大きく撮れているもんです。
   ⇒ズームし過ぎると何が起こっているのかさっぱり分からない映像になりがちです。
(3)一方でプレーが一段落した後はズームで選手のアップを撮ってあげたいものです。
(4)ピッチャーが投球する時は、ピッチャーとバッターが両方入る状態でカメラを固定して撮影するか、バッターにズームした状態で撮影する(どういう絵を撮りたいかで臨機応変に)。
   ⇒投球と同時にピッチャーからバッターへカメラを振って撮った映像は、後で一試合分見ると気持ち悪くなります。
   ⇒時々はこういう映像があってもいいのですが、最初から最後までこの撮り方だと間違いなく見ていて酔います。
(5)ピッチャーが投球するときは、モニターではなく肉眼でプレーを見る(カメラはしっかり固定)。
   ⇒モニターを見ていたら打球をカメラで追う事ができません。
(6)プレーが終わってもすぐに撮影オフにしない。
   ⇒少しグランド全体でも映してから余裕をもって撮影オフにする。
(7)バッターがヒットを打ったときの撮影順序。
   打球を追う⇒打球が落ちる(抜ける)場面⇒先頭のランナー(特に得点する場面)⇒打ったバッター
   ⇒その後で、残ったランナーを順番に1人ずつ撮影(絵で状況を説明する)
(8)フォアボールやデッドボールの時はバッターが一塁に行くまで撮影する。
(9)時々、応援席やベンチも撮影しておく。
(10)攻撃中は監督のサインを見て撮影する(サインを知っていればの話)。
   ⇒次に起こるプレーが予測できればそれだけ撮影し易くなる。

 私にとってビデオの映像というのは記録です。ある1人の子に焦点を当てて考えたときに、ほとんどその子しか映っていない映像って記録としてどの程度意味があるでしょうか。そのときに一緒だった仲間がいて、関わっていた大人たちがいて、使っていた用具があって、周りの建物や景色があって、そういう諸々のものが映像の中に一緒にあり、その中に本人がいて初めて記録と呼べるものだと私は思っています。

 我が家にはビデオカメラを渡すと一生懸命に自分の子供をアップで撮影する人物がおりまして、もう十何年も前の話ですが「これじゃあ子供の成長記録にならんだろう!」と言わなくてもいい余計な一言を言ったばっかりにしばらく口をきいてもらえなかったという苦い経験があります。編集という概念を持ち合わせていなかった頃の話ですが、そんな映像でも他の映像と組み合わせて編集する事で記録の要件を満たす映像にする事は、今となっては当たり前の事になりました。
posted by kudakeishi at 01:04| Comment(0) | TrackBack(0) | ビデオ撮影と編集